第 008 号
☆☆☆ シリーズ:経営の未来〜黒字体質について考える vol-03 ☆☆☆
今回のテーマ:損益計算書を変動損益計算書に組み替えてみよう!!
経営者なら、決算書や試算表で提供される損益計算書の数値を見て、
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黒字にするには、売上高は最低いくら必要なの?
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従業員を一人雇うには、いくらの売上アップが必要なの?
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目標利益を達成するには、どの費用を削るのが効果的なの?
などなど、いろいろな経営上の疑問を一度はもったことがあると思います。
変動損益計算書とは経営者のこんな疑問に答えるための必要・最強ツールです。
決算時に作成する損益計算書は、税務署・銀行等への外部公表用資料であり、内部管理用には損益計算書を組替えて変動損益計算書を作成します。
変動損益計算書では、売上高から売上高に比例して増減する変動経費を引いて限界利益を出し、これと、売上高に関係なく一定している固定経費との関係を見ることにより上記の疑問を解決出来ます。
つまり、変動損益計算書を作成することにより、黒字化のための売上高を知ることが出来ます。
また、目標利益を達成するための効果的な経費の削り方等が見えてきます。
では、実際に変動損益計算書を作成する手順を見ていきましょう。
☆計算式が“苦手”と言わないで。経営の黒字体質のためにもここからが大切!
まず、 損益計算書の経費科目を固定経費と変動経費に分類します。
次に、算出した変動経費合計又は限界利益をもとに限界利益率を求めます。
※限界利益率と変動費比率は合計すると必ず100%になる関係にあります。
( 限界利益率が70%なら、変動費比率は30%になります
)
最後に、求めた限界利益率を目的により以下の計算式にあてはめます。
たとえば、目標利益達成の為の売上高を知りたい場合
この数式に当てはめれば希望利益の売上高を算出することができます。
また、固定経費・変動経費の増減や、売上高の変化による利益計算も可能です。
では次に、簡単な数字を使って変動損益計算書をマスターしよう!!
☆☆☆ 解答:(35万円+20万円)÷55%=100万円 ☆☆☆
つまり限界利益率55%(変動費比率45%)を保ちつつ、毎月の売上高が100万円に達すれば20万円の経常利益が確保されます。
以上、「変動損益計算書」の概略を簡単に説明しましたが、詳しい説明や貴社の分析につきましては、当事務所スタッフまで気軽にお問い合わせ下さい。